増田達治 煤墨の世界

日傘1・小
 台風18号の大雨により、大阪市は16日午前8時30分、大和川が氾濫の危険水位に達し、さらに上昇する見込みがあるとして、わが平野区など計4区の南部ほぼ全域にわたって避難勧告を発令しました。
 前日はかなりの雨が一日中降り続きましたが、この日の朝はもうすでに雨は上っていたので、避難勧告の発令には一瞬「何で?」、と思いました。が、台風は和歌山南部を北東に進み、大和川上流の降雨によって水嵩はさらに増してきたのでしょう。
 私の記憶する限り、平野区への避難勧告の発令は初めての経験でした。そして日差しはさらに強くなり気温も上昇する中、午後1時10分に勧告は解除され、久しぶりにまた蒸し暑い夏が戻ってきました。

 こんな時は、しばらく使わなかった日傘の登場です。
 テレビで知ったのですが、最近はデパート等でも男性用の日傘コーナーが設けられており、その販売数は伸びているとのこと。とは言えその数はまだまだ微々たるものでしょう。日中、この平野界隈ではもちろんのこと、梅田や難波や天王寺を歩いていても日傘を差している男性など全く見たことがありません。
 そんな中、私はこの8月22日に初めて日傘を差して外出しました。日傘デビューです。男の日傘は大阪では、いや少なくともこの平野の街では私が初めてに違いない!。と、勝手に思っています。




 

授業風景2
 今回は紙をさらに大きくし、全紙(約1350㎜×690㎜)を半分に切った半截に8×8=64文字を書かせました。
 
 ところで、コメントに「千字文」とは何かというご質問をいただきました。
 広辞苑には、
 せんじもん【千字文】 梁の周興嗣が武帝の勅を奉じて撰。一巻。四言古詩、二五〇句から成り「天地玄黄」」に始まり「焉哉乎也」に終わる一千字があるから名づける。撰者が魏の鍾繇(しょうよう)の千字文を韻に従い順序を正したものという。中国の初学教科書、また習字手本として広く行われた。
 とありますが、何だかこれも難しいですね。まぁ、日本で言えば、「いろは歌」のようなもので、千文字の漢字にどれ一つとして同じものはなく、偏と旁や文字造形上のあらゆる要素が含まれていて、この千字文を書いた優れた古典の名品をお手本にして繰り返ししっかり練習すれば字が上達するとして、古くから書の恰好の教材として貴ばれてきたようです。

 しかし、この授業では千字文の古典作品をお手本にするのではなく、 活字を見ながら太く大きく、というのが目標でした。

今宮3
 これはそんな授業の中の二点。
 右の作品は前回のブログで、「頑張ったけどあともう一息。次回に期待します。ガンバレ!」と私がエールを送ったNさんの作品。何と、一週間前とは全く別人の如く豹変しました!。一気に、大きく太く濃く、そして力強い線と造形へと一変したのです。とても充実していて迫力さえあります。授業の目標に沿った生徒のこのような変身、そして成長は、指導する者にとってとても嬉しいことです。
 左の作品。これには見覚えがあるかもしれません。そう、前回の画像で一番左に写っていたMさんの作品です。64文字という多字数になっても彼女の用筆、造形は細心の注意を払いながらも全くぶれることなく一貫しています。大きく太く、という目標を実現しつつ、なおかつ決して一本調子になることなく、さらに線の太細や墨量の多寡など異なる要素を組み合わせてより複雑な、そして立体感のある作品に仕上げています。

 このような、今までの自分の常識の中にはなかったような新たな経験が生徒たち一人ひとりの可能性を拡げ、今後のより豊かで創造性に溢れる創作につながることを期待しています。 

今宮1
 週に一日、今宮高校で書道の授業をしています。
 先週の8月27日は私の2学期最初の授業。これはその時の授業風景です。
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