増田達治 煤墨の世界

2014年11月


 ⑮個展・4538

 会場は戎橋筋商店街に古くからある「ナルミヤ戎橋画廊」。2階と3階にそれぞれ二室ずつの展示会場があり、私はいつも3階の第3会場と第4会場の間仕切りを取り外し、一室として使用します。この二室を一室として使うと展示壁面は約41mになります。
 
 私は毎回の新作個展には数十点の作品を発表します。これは毎年の新作個展としては他の作家にはまず見られない作品数の多さです。しかもそれらは1年間に制作した作品群の中から厳選に厳選を重ねた上での数十点。

 そんな沢山の作品を展示するためには壁面の広い大きな会場が必要となりますが、大阪市内(いや、市内に限らず)には壁面30mを越えるようなギャラリーはほとんどありません。そんな広さと交通の便の良さもあって、私のこの画廊での個展は今回で6度目となりました。

 私は大学の学部(書道科)を卒業した後、さらに1年間の教育専攻科(書道専攻)に入学。その専攻科を修了する年の昭和52年(1977)の1月に奈良県文化会館で初めての個展を開催しました。その後大阪の府立高校で芸術科書道の教諭を務めながら書き続けてきた作品を、初の個展から約20年を経たのちの平成8年(1996)と平成10年(1998)の二度にわたって発表しました。

 そして平成13年(2001)、私はいよいよ書作に専念するために6年間の府教育委員会勤務を最後に大阪府を退職し、翌年の平成14年(2002)に4回目の新作個展を開催。以来、年に一度のペースで新作の発表を積み重ね、今回で15回目の新作個展となりました。

 書作に専念するようになってからいろいろと新たな出会いもあり、川西や西宮、葛城、神戸、堺、京都などのギャラリーからの求めもあって、これまでに10回の企画展も経験しました。

 さて、今回の個展。会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは大作の「波濤」(約754×1407)でしょう。

⑮個展・4522


⑮個展1・4446
 これにはかなりの迫力と力強さを感じていただけたようです。

 12日、今年の新作個展が終了しました。
 これがその案内状です。
⑮個展案内状表面⑮個展案内状切手面

 それにしても今頃案内状、とは全く間抜けな話です。こんなことではブログをやっている意味がありませんね!
 しかしこの案内状、なかなか好評でした。この「僕」という字、言葉、そしてその意味も形もとても分かりやすく、作品としてまた案内状として多くの方がすんなりと心地よく受け取ってくださったようです。

 さらにこの「僕」を、今個展のタイトル「増田達治の書<生々動々>」に添えた「-自分になればなるほど、世界全体になる-」という東尚彦氏の言葉と重ね合わせて読んでいただければ、より意味の深いメッセージになると思います。続きを読む

 明日から今年の新作個展が始まります。
 
  増田達治の書<生々動々>
    自分になればなるほど、世界全体になる
                -東尚彦の有機体芸術より-

  会期 平成26年11月7日(金)~12日(水)
  時間 午前11時~午後7時(最終日は午後6時まで)
  会場 戎橋画廊3階(大阪市中央区道頓堀1-9-3)
        地下鉄御堂筋線なんば駅14番出口北東すぐ


 本日、無事搬入展示の作業を終えました。
 それにしてもいよいよ明日から、という日になってからのご案内、とはあまりにも遅すぎます。

 複数の方からいつになったらブログに個展の案内をアップするの?、とご心配や励ましの言葉もいただいていたのです。が、結局開催前日の今日になってしまいました。
 おまけにデジカメを会場に置いてきてしまったので、今ここで、案内状を見ていただくことができません。

 が、「波濤」、「森林」、「劇的」、「僕」、「幽」、「震」、「山河大地」、「象」、「園」、「天」、「黙」、「笛」…、さらに空海、道元、日蓮、茂吉などの深~い言葉を生き生きと真正面に正々堂々(生々動々)と書き上げた作品群や、何の衒いもなく無心に無造作に筆を運んだ作品群など、この一年間をかけて制作し、かつ厳選した渾身の数十点を、是非一人でも多くの方々に観ていただきたいと思っています。

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