増田達治 煤墨の世界

  平成20年度から7年間開催が途絶えていた「大阪府高等学校書道教員展」が今年度、遂に復活開催されました。(H28.2/5~7  於.エルおおさか) 

  府内の公私立高等学校および支援学校高等部の書道教員により組織された「大阪府高等学校書道教育研究会」の事業の一つで、文字通り日頃、生徒たちに書道を教えている先生方の書作品展です。

 私はとうの昔にこの研究会を離れていますが、心からこの展覧会の復活を願っていました。

 書道教育に関する研究・研修・調査等を目的とするこの研究会の事業には様々なものがありますが、その中でもとりわけ重要だと私が考えているのがまず、「高校展」。
 これは書道の授業や部活動等の中で生まれた生徒作品の展覧会で、無審査=アンデパンダン形式なので、各学校が自由に作品を発表することができます。(毎年1月末頃の6日間、大阪市立美術館にて開催)。

 そしてもう一つの大切な事業が、この「教員展」です。

 なぜ、この二つの事業が重要なのでしょうか・・・・・?
 
2教員展5340
  復活開催した「教員展」の会場風景。
 この展示室の突き当りを右に進むと、その奥に第2室がありました。出品点数は全64。久しぶりにお会いした現役の先生方と、この展覧会や作品のこと、学校現場や研究会の現状等について話し込んでいる内にあっという間に時間切れ。しっかりと写真を撮らぬまま、急いで会場を後にしてしまいました。

 明けましておめでとうございます。
5325・H28年賀
                       「夢」
            
 今年もよろしくお願いいたします! 平成28年丙申元旦

H27いが展・5262

H27いが展・5263

H27いが展・5265
 以上、会場風景・その1~3で、右回りに画廊を一周したことになります。

H27いが展・5273
   この建物は、ART SPACE IGAの向かいにある古美術商の寺村清雅堂(登録文化財)。画廊のオーナーである寺村尚・貴視子ご夫妻が五代目として営んでおられます。 

 
   今回の個展ももう終わろうとする11月26日の夕刻、私はご自宅でもあるこの寺村家に新たに作られた茶室に招かれ、一服のお茶を頂戴しました。
H27いが展・5281

  床の間には、何とも言えない淡く静かな墨色の柔らかい書の掛け軸。どうやら和歌一首が書かれており、左 の広い空間の端の端までピイーンとした緊張感が響いています。
  近くに寄ってみると、宣長の落款が…。
H27いが展・5280
 紛れもなく本居宣長の書軸です。
   宣長歌 「野鹿 萩の露しのに乱れて鳴く鹿の涙色なる野辺の夕風」

   この寺村ご夫妻のおもてなしの後、伊賀で初めての個展は無事終了しました。

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