増田達治 煤墨の世界

2014年08月

 大師像等が安置された奥の部屋は撮影禁止でしたので紹介できませんが、これは入り口から二つ目の部屋、前回紹介した作品「面白」の向かい側になります。
長宝寺・4008

 正面右上の作品は、昨年の個展で「抽象‐9」(410×552)として発表しましたが、ここでは「真言曼荼羅」と題して展示しました。
 私には、神秘、無限、宇宙、永遠、輪廻、涅槃、不可思議、といったイメージがこの抽象世界の中にはあり、密教寺院の中で行われる今回の展覧会のテーマと展示空間にとってはとても相応しい作品だと考えました。 
 
 でもちょっと画像が小さく、ぼけているように思うので、あらためて…。
⑭抽象9・3728

 次の写真は「真言曼荼羅」の向かって右側の壁面。入り口から入って最初の部屋の右壁面です。
 どの画像でも一点一点が小さく、字数の多い作品もあるのでとても判読はし難いと思いますが、会場の大体の雰囲気は分かっていただけたかと思います。
長宝寺・4016
 これで大師堂の展示壁面を時計回りに一周したことになります。
長宝寺・4020
 展示はこの日一日の約6時間半。夕方の4時頃には片付けを開始しました。しかし、百名くらいは覘(のぞ)いて下さったのではないかと思います。
 大変興味深く熱心に観て下さる方もおられ、中には半時間以上も私と話し込んだ方もおられました。
 
 この日、芳名録に住所、氏名等をご記入下さった方には、今秋の個展にも是非観に来ていただきたいな、と思っています。

 大師堂の奥には、宗祖空海(弘法大師)像が安置されています。
 当然ながら、展示のために造られた空間ではなく、また作品取り付け用の金具や設備も充分ではないので、下見の段階ではどうなることかと少し不安でした。

 結局、あれこれ苦心と工夫を重ねながら、当日の朝も含め五日間にわたって作品の搬入と取り付けの作業をしましたが、展示を終え、落ち着いてあらためて会場の全体を眺めてみると、多少の苦労の甲斐あってかなかなかいい空間になったのではないか、と思いました。

 この写真は、入り口から入ってすぐ左側の壁面です。
長宝寺・4013
 展示の作業中、何度か様子を見に来られた院主さんが、「こんなのもありますよ。」と立派な緋毛氈を用意して下さいました。白い壁、黒い柱(渋い焦げ茶色ですが…)の中に、鮮やかな緋色が映えます。
長宝寺・4026

 さらに奥の部屋の左側壁面と窓に2点を展示。毎年の展示のために備えておられるのでしょうか、用意されていたスポットライトを当てると、窓からの逆光で少々見えにくい作品も、とてもいい雰囲気で浮かび上がりました。
長宝寺・4010

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