会場は戎橋筋商店街に古くからある「ナルミヤ戎橋画廊」。2階と3階にそれぞれ二室ずつの展示会場があり、私はいつも3階の第3会場と第4会場の間仕切りを取り外し、一室として使用します。この二室を一室として使うと展示壁面は約41mになります。
私は毎回の新作個展には数十点の作品を発表します。これは毎年の新作個展としては他の作家にはまず見られない作品数の多さです。しかもそれらは1年間に制作した作品群の中から厳選に厳選を重ねた上での数十点。
そんな沢山の作品を展示するためには壁面の広い大きな会場が必要となりますが、大阪市内(いや、市内に限らず)には壁面30mを越えるようなギャラリーはほとんどありません。そんな広さと交通の便の良さもあって、私のこの画廊での個展は今回で6度目となりました。
私は大学の学部(書道科)を卒業した後、さらに1年間の教育専攻科(書道専攻)に入学。その専攻科を修了する年の昭和52年(1977)の1月に奈良県文化会館で初めての個展を開催しました。その後大阪の府立高校で芸術科書道の教諭を務めながら書き続けてきた作品を、初の個展から約20年を経たのちの平成8年(1996)と平成10年(1998)の二度にわたって発表しました。
そして平成13年(2001)、私はいよいよ書作に専念するために6年間の府教育委員会勤務を最後に大阪府を退職し、翌年の平成14年(2002)に4回目の新作個展を開催。以来、年に一度のペースで新作の発表を積み重ね、今回で15回目の新作個展となりました。
書作に専念するようになってからいろいろと新たな出会いもあり、川西や西宮、葛城、神戸、堺、京都などのギャラリーからの求めもあって、これまでに10回の企画展も経験しました。
さて、今回の個展。会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは大作の「波濤」(約754×1407)でしょう。
これにはかなりの迫力と力強さを感じていただけたようです。