以上、会場風景・その1~3で、右回りに画廊を一周したことになります。
この建物は、ART SPACE IGAの向かいにある古美術商の寺村清雅堂(登録文化財)。画廊のオーナーである寺村尚・貴視子ご夫妻が五代目として営んでおられます。
今回の個展ももう終わろうとする11月26日の夕刻、私はご自宅でもあるこの寺村家に新たに作られた茶室に招かれ、一服のお茶を頂戴しました。
床の間には、何とも言えない淡く静かな墨色の柔らかい書の掛け軸。どうやら和歌一首が書かれており、左 の広い空間の端の端までピイーンとした緊張感が響いています。
近くに寄ってみると、宣長の落款が…。
紛れもなく本居宣長の書軸です。
宣長歌 「野鹿 萩の露しのに乱れて鳴く鹿の涙色なる野辺の夕風」
この寺村ご夫妻のおもてなしの後、伊賀で初めての個展は無事終了しました。