大師堂の奥には、宗祖空海(弘法大師)像が安置されています。
 当然ながら、展示のために造られた空間ではなく、また作品取り付け用の金具や設備も充分ではないので、下見の段階ではどうなることかと少し不安でした。

 結局、あれこれ苦心と工夫を重ねながら、当日の朝も含め五日間にわたって作品の搬入と取り付けの作業をしましたが、展示を終え、落ち着いてあらためて会場の全体を眺めてみると、多少の苦労の甲斐あってかなかなかいい空間になったのではないか、と思いました。

 この写真は、入り口から入ってすぐ左側の壁面です。
長宝寺・4013
 展示の作業中、何度か様子を見に来られた院主さんが、「こんなのもありますよ。」と立派な緋毛氈を用意して下さいました。白い壁、黒い柱(渋い焦げ茶色ですが…)の中に、鮮やかな緋色が映えます。
長宝寺・4026

 さらに奥の部屋の左側壁面と窓に2点を展示。毎年の展示のために備えておられるのでしょうか、用意されていたスポットライトを当てると、窓からの逆光で少々見えにくい作品も、とてもいい雰囲気で浮かび上がりました。
長宝寺・4010